読了物 - いーちゃんの日記

運び屋を生業とする主人公が、ある少女を保護したことから荒事に巻き込まれる。物語は、二転三転、企業体から地回りのヤクザに、地下世界に潜む宇宙人まで、話しが大きく広がって退屈させない。荒廃した近未来の日本が、舞台のSFってのも、興味を引くところ。

連作のオムニバスってことで、久々に原点回帰な短編集で、楽しめたなぁ。作者さんが、恋愛をスマートに描ききてるなぁ。女の子の絵も何時もの如く小悪魔っぽくて、可愛らしいのが好みだ。

話しが、ミステリー風味で面白い。登場人物の視点が、ころころと切り替わり、最後の答えに辿り着く所まで、話し作りも工夫が成され、妙味を与えているように思う。そして、前作から変らない人の心理描写を捉える上手さも、今作で十分に生かされている。読んでいて面白かった。

ララァの過去の回想で、過去の経緯と長道の生誕の経緯等に纏わることが判明した。そして、エナ星白の鹵獲で、明かされたガウナの謎の一旦。緑川妹の積極的アタックで、急に動き出した長道を巡る恋の鞘当…？ラブコメ展開もあり、賑やかな事が続き、星白喪失の重苦しい雰囲気から抜き出た。